目の病気

結膜炎について

ポイント

  • 結膜炎は、白目(強膜)を覆う膜が様々な原因により炎症を起こします。
  • 症状は目やにがでる、充血する、痛み、痒みがでるなどがあります。
  • アレルギー性結膜炎は点眼で症状を軽くすることはできますが、治癒することは難しいです。
  • ウイルス性結膜炎は人に感染し易く注意を要します。

結膜は、白目(強膜)を覆う膜であり、この膜が様々な原因により炎症を起こし、充血、目やに、痛み、痒みなどを伴います。主な結膜炎を次にご紹介します。

アレルギー性結膜炎

 痒みのもと(抗原)に対し、体が過剰に反応を起こして、結膜炎を引き起こします。抗原には、スギ、ヒノキなどの花粉や、ダニ、ハウスダスト、動物の毛などがあります。

 患者様の中には、今までアレルギーがなかったのに、何故アレルギー性結膜炎になるのか疑問に思われる方が多くいらっしゃいますが、これを説明するのに水とコップの関係がよく例えに使われます。この場合、水が抗原に、コップが患者の体にあてはまり、少量の水を注いだだけではコップがあふれることはありませんが、少量の水でも何度も繰り返して注いだり、大量の水を注ぐとコップから水がこぼれてしまいます。この水がこぼれた状態がアレルギー反応であり、様々な症状を引き起こします。(少量の抗原では、体は許容しますが、少量の抗原でも何回も体に取り入れたり、大量の抗原を体に取り入れたりすると、体は耐え切れず、アレルギー反応をおこします。)

 治療としては、痒みのもと(抗原)を避けることが大事ですが、現実には困難であり、通常抗アレルギー点眼薬やステロイド点眼薬を使用します。しかし、ステロイド点眼薬は、問題となる副作用がでることがあるので、注意が必要です。

細菌性結膜炎

 ゴミが眼に入ったり、汚れた手で眼をこすることなどにより、細菌が結膜に感染し、結膜炎をおこします。また眼のまわりには常在菌(お腹の中に大腸菌があるように、通常では、体に無害な細菌)が存在しますが、体の抵抗力の落ちている方(高齢者や、ストレスが強くかかっている人)にも、結膜炎を引き起こすことがあります。通常、抗生剤の点眼で治療を行います。

ウイルス性結膜炎

 一般的に、”はやり目”や”咽頭結膜熱”と呼ばれており、人から人へと感染し、感染してからおよそ5~7日程経過して結膜炎の症状を発症します。風邪を伴うことが多く、体の免疫力により通常1~2週間で治ることが多いですが、症状が重い場合、黒目(角膜)に濁りを残すことがあります。治療としては、この病気をしている間に他の病気を併発しないように抗生剤や、痒みを和らげるために抗炎症剤の点眼を使用します。

ヘルペス性角結膜炎

 ヘルペスウイルスにより特有の角膜炎や結膜炎をひきおこします。顔半分が腫れたり、頭痛を伴うことがあり、角膜が濁って視力障害を引き起こすことがあります。このウイルスは病原性が弱いいため、多くの人が感染していますが、通常では発症しません。しかし、体の抵抗力が落ちている場合に発症することがあります。現在優れた治療薬がありますが、特に高齢者の場合、症状が落ち着いても、頭痛などの後遺症に悩まされることがあります。

真菌性角結膜炎

 稀ですが、木の枝などで、目を突いたときなどにより、真菌(カビ)が目にはいり、炎症をおこすことがあります。通常の点眼薬では効果がなく、傷の治りが悪いのが特徴です。特殊な点眼薬を必要とします。